トップページ医・看学生のみなさんへ > 看護部のたからもの
 
 
 
 
 
 
 
  私たちのキラッと輝くたからものを紹介します。

患者さまに寄り添い、患者さまやご家族の笑顔のために、
「絶対にあきらめない」私たちの看護実践のたからものがいっぱいあります。
ほんの1部をご紹介します。
 
   「2年ぶりに口から食べた」本人・ご家族・スタッフ全員の喜び
 

 Fさんは、2年前に心臓の手術の為に他院に入院してから、そのまま寝たきりとなり、鼻からの経管栄養、気管切開をして人工呼吸器を装着した状態で、高知生協病院に転院してきた患者さんです。
座る練習からリハビリを続けていたある日、Fさんが、いつものようにお口をパクパクさせるので、聞きとると「口から何か食べたい。」とおっしゃっています。唾液も飲みこめていて、ムセなどもありませんでしたから、看護師と主治医に相談すると、「やってみよう!」ということになりました。
そして転院して20数日後、遂にゼリー食開始です。一回目は「介助で2~3口、食べられればいいかな…。」と思っていましたが、Fさんは、ベッドに座って自分でスプーンを持ってパクパク食べ始め、途中ムセもなく全量を食べ切りました。2年ぶりの食事が出来たことは、本人の喜びはもちろんとにかくみんなで大喜びしました。この時の写真を見て、ご家族も本当に喜んでくださいました。

「口から食べる」という事は、「生きる力」です。スタッフが常に患者さんに寄り添っているから、大きな喜びが実現でき、一緒に喜び合える、そんな「生きる力」を支える医療を実践しています。
    
 
   「看取るための転院」 ~人がそこに生きているということ~
   Eさんは、長年心疾患で高知生協病院に通院されていた患者さんで、ある日散歩からご自宅に帰って突然倒れてしまいました。心肺停止状態で、近くの病院に救急車で運ばれましたが、低酸素脳症で意識もなく、気管切開をして人工呼吸器をつけました。それから2週間、なすすべもなく転院を促され「生協病院へ」というご家族の希望もあって、この日帰って来られたのです。
厳しい暑さがつづくある日救急車のサイレンが聞こえだし、「Eさんが帰ってきたよ!」と主治医を先頭に、外来救急スタッフらは、出迎えに走りました。「おかえりー!」「よう帰って来たねぇ!」みんなが口々に呼びかけます。その時、すぐにEさんから漂ってくるニオイに気づきました。特に、硬縮してギュッと握りしめている手から臭ってきます。手をゆっくり開かせてみると、ホコリとアカ、汗をぎっしりと握っていて異臭がしていました。そのような状態で帰ってきたことに、心が痛みました。「はよう(早く)綺麗にしょうね。」と声がけをしながら綺麗に洗いました。
たとえ、意識がなくても「くさいニオイを放つこと」、人に「くさい」と思われたり言われたりすることは、人としての尊厳が深く傷つけられます。「人がそこに生きているという事を大切にする。」そういう事こそ「誇り」に思える看護だと思いました。
 
 
   「お金がない」 経済的不安を抱えた患者さんとの関わりを通して
   Gさんは40代男性 で、腹痛、嘔吐が続いて当院を受診しました。診察の結果、アルコール性の急性膵炎のため入院しました。付き添いのお母様に、「何か心配ごとはありませんか?」と聴いてみました。すると「お金がまったくない状態で入院費の払いようがないこと」で困っていらっしゃいました。Gさんとお母様は2人暮らしで、現在仕事はしておらずお母様の年金だけで生活していたのです。

経済的な不安については、当院が行っている無料低額診療事業があるので心配はいらないこと、当院の地域連携室スタッフの医療ソーシャルワーカーに連絡するので、今後は医療ソーシャルワーカーや看護師がGさんやお母様の力になることをお話ししました。すると、ホッとした表情になって「よかった、安心した。」とおっしゃって、こちらも嬉しくなりました。

その後Gさんは病状が回復してこられたある晩に、「こんなことになって自分が情けない」と呟くように言ったのです。
その時、看護師は「こうして入院したことで病気を治し、もう1度出直す機会がもてましたね。大丈夫ですよ、Bさんはこれから前向きに生きていかれるんじゃないでしょうか?」と、素直に思ったことを伝えました。

Gさんは無言で頷いていました。
高知生協病院は「いのちは平等」を理念に無料低額診療事業に取り組んでいるから、今回こうした経済的な不安を抱えた患者さんやご家族に対して、「大丈夫ですよ。私たちの病院はそうした不安に対してとことん寄り添っていきます。」と伝えることができました。病気だけをとりあえず治すのではなく、病院の玄関を出て生活していくところまでが生協病院の看護です。そのために、退院支援の中心になる医療ソーシャルワーカーをはじめ、看護師や介護職員が粘り強く丁寧に最後まで患者さんに寄り添っていきます。そうしたスタッフの情熱があることが生協病院らしさです。
 
   ~~かわいい家族(ペット)との再会~
  ワンちゃんも猫ちゃんもかけがえのない家族です。
Dさんは胆嚢癌の末期。
娘さんは「家に帰してあげたい」と希望していましたが、
病状から困難でした。そこで、飼い猫との対面を提案。
ベッドのまま病院玄関へ行き、猫と再会しました。
もう傾眠状態でしたが、微笑みがこぼれ、
娘さんからも感謝されました。
       
   ~隣人に感謝の贈り物を~
  Cさん(男性)は肝硬変、腎不全で余命数か月。
一人暮らしのCさんは「自分の心の支えだった隣人(女性)に感謝したい」と希望しました。
照れ屋のCさんといっしょに、お花好きの隣人へ押し花と思いを込めた詩、写真をアルバムにして贈りました。
 
 
   ~最期のお化粧は娘に~
  Aさん(女性)は肺癌、転移性骨腫瘍でした。
おしゃれで明るい性格のAさんは面談で、「最期の化粧は娘にしてもらいたい。 先に逝った両親が自分をすぐにわかるように、きれいになって帰りたい。」 と話ました。
そこで最期に備え、死化粧・衣装・清拭の方法を決め、担当者の誰にでもわかる ように文書にしました。
内容は「本人の希望です。シャンプー、清拭、死化粧は娘さんといっしょに。 化粧品は本人のもので、ドレスを着て帰ります。義歯を挿入し、やせて見えないよう綿を含ませふっくらした感じにして下さい。」
 
ページトップへ
   ~生協病院でプチ結婚式を挙げる~
 
招待客はご家族と1Bスタッフ
「妻には感謝している。だけど照れくさくてその言葉が出てこない。
 ドレスを着せてあげたい。」

病棟では、緩和ケア対象患者が入退院を繰り返しているケースを
たくさん受け持っています。

 
平均在院日数の短縮や業務量の増大、マンパワー不足により、十分な看護展開が図れないのが現状。
煩雑であり激務の中、関わりを持つ症例は、身体ばかりでなく心のケアが重要となるケースが多く、患者様とそのご家族の思いに寄り添い、各々の心に残る思い出つくりなど計画し実行を通して、共に喜び合うことが出来ています。
患者様生前中に家族の絆を深め合い、忘れることの出来ない思い出作りを実施することは、患者様他界後、家族の悲嘆を増強させかねず、時に躊躇することもあります。
しかし、グリーフケア(悲嘆に対するケア)を含め、時間を要しても患者様の死を受容し、生涯の大切な思い出に変わることを願って援助し続けています。
 
 
   ~人口呼吸器を装着したEさん美容院へ~
  A氏58歳女性。一番重要な問題点は呼吸管理。
ポータブル吸引器とアンビューと交換用カニューレをもって行きました。
更に偶然にも、外出先(行きつけの美容院)が診療所の側であったので、外出時間を診療所の医師が在院中にすることとし、主治医、病棟師長を通して連携をはかり、呼吸不全の悪化の万が一の危険性に備えました。
夫とは外出までの相談の中で、看護師の提案にとても協力的に関わってくださり、化粧品を購入してくれるなどA氏に対する愛を感じることが出来ました。
 
ページトップへ
   ~食べることができた!笑顔が戻った!~
  Mさんは入院当初、脳梗塞後遺症のため、経管栄養の管と、排尿のために管が挿 入されていて、阪神麻痺のため寝返りもできず、床ずれができていました。
鼻からの管を自分で抜いてしまうので、口から管を挿入することにしました。
「あーん」と口を開けてもらうと、舌の動きがよく、スムーズに飲み込むことができました。
「もしかしたら、普通に食べられるかもしれない。」
早速、主治医に相談。嚥下造影の結果、ゼリーをむせずに食べることができました。
ペースト状の食事を開始すると同時に、理学療法士と協力して車イスへの移動をすすめ、日中はベッドを離れて過ごすようにしました。
そして、スプーンを持っておいしそうに食事をとり、Mさんに笑顔が戻りました。
 
 
   ~触れることで伝わる、あたたかさ~
  認知症や末期がんの患者さま、落ち着かない、不安の強い患者さまへスウェーデンうまれの「タクティールケア」を実施しています。タクティールとは触れるという意味。
午後の落ち着いた時間に、患者さまの手をゆっくりさすります。手を包み込むように優しくマッサージ。
女性にはオシャレを兼ねてマニキュアを塗ったり、乾操している方は保湿クリームを使用します。
手以外でも、病状的に痛みのある場所があれば、そこもさすります。
話好きな患者さまは「明日は誰が来てくれる?」と楽しみにしてくれ、「今日は何でかわからんけど、ご飯が全部食べられた」と食欲増進効果も。
痛みの訴えの多かった患者さまは、訴えが減り薬の使用も減りました。表情もケアを重ねるごとに穏やかに。
「患者さまにゆっくり時間をかけ接することができ、充実感が得られた。」
「患者さまに優しく接するようになった。私がこんなに優しくなるなんて・・・」など、
スタッフにも好評です。
 
 
   〜この一枚の写真が心に残る思い出として~
  月ごとにお誕生日記念写真をとって患者さまのお部屋に飾らせて
いただいています。
この患者さまはハロウィンの日がお誕生日だったので、カボチャの飾りつけで
写真をとりました。みなさんとても喜んでくれ、何とも言えない笑顔を見ると
スタッフも自然と笑顔になります。また、その写真を見たご家族からも
「こんな 笑顔を久し振りに見ました。」と喜びの声をいただくことがあります。
少しでも入院生活の中で癒しを感じ、笑顔になってもらえるように、
これからもお手伝いさせていただきたいと思います。
 
ページトップへ